2016/10/30

兵庫/「最低限の安心」守っていく=金田明子さん

2016年10月30日 毎日新聞地方版
http://mainichi.jp/articles/20161030/ddl/k28/070/276000c

福島県から避難して来ているお母さんと子どもさんたちで活動しているグループと知り合う機会がありました。

いろいろ意見もありますが、わたしは自分が今まで得た知識、学んできたことを踏まえて、特に子どもたちや若いひとたちは放射線量が高い地域にいてはいけないと思っています。なので福島県からの子どもたちが参加する関西地方でのキャンプでのおやつ作りであるとか、先述のお母さんたちへの支援であるとか、福島県から出たいと思って努力しているひとたちを支える、そういったことはできる範囲でお手伝いしていきたいと思っています(農家さんや観光業のかたへは、支援ではなく補償や移転の補助をしていくべきだと思います)。

子どもたちは知識も経済力もなく、住む場所を選べません。大人とともに行動することしかできません。だからわたしたち大人がきちんとした知識を得て、適切な環境を子どもたちに与えるために行動をとるべきだと思います。知らなかったでは済まされない、後悔しないように今、何をすべきかと考えます。安全でないかもしれない場所に子どもたちを置いておくわけにはいきません。それを選択するのは大人だと思います。

神戸で生まれ育ったわたしは、神戸がたいせつだし離れたくありません。だから福島県を離れたくないひとたちの気持ちはわかるつもりです。けれども、その選択が命に関わることであるとしたら、命を優先すべきだと思います。

先述のグループのお母さんの一人は、福島県内に仕事をしているご主人を残して、身寄りのない神戸に母子で避難しているとのこと(大地震を経験した神戸は、理解のある土地柄ということでしょうか。避難して来るかたも多いと聞きます)。もちろん自治体などは助けてくれません。自主避難なので経済的にも精神的にも負担は大きいはずです。離ればなれになったとしても、こうすることを選択したご夫妻の勇気に、わたしは小さなかたちでも応えたいと思います。

「神戸に来て、子どもを連れて外食をたのしめるようになったことがうれしい」

彼女がぽつりと話した一言が忘れられません。外食をたのしめるって、当たり前のことであるはずじゃないですか? わたしの店では表記はしていませんが、その日のメニューに使用している材料がどこで作られたものか答えられるようにしています。そして特に野菜、果物、お米などは輸送コストやCO2の排出のことも考えて近郊産のできれば低農薬、無農薬のものを使うようにしています。最低限の安心をこれからも守っていけたらと思います。それがわたしたち、提供する側の務めだと思っています。(カフェ経営)

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