2016/03/17

日々の作業、ネットで配信 福島の農家、震災から5年語る 鳥取 /鳥取


2016年3月17日 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160317/ddl/k31/040/577000c

東日本大震災について考えるフォーラム「もう5年?! まだ5年?! 私がつづる東日本大震災」が11日、鳥取市尚徳町のとりぎん文化会館で開かれ、市 民ら100人以上が耳を傾けた。避難者支援に取り組む「とっとり震災支援連絡協議会」が主催。福島県須賀川市在住で、ネギやキュウリ、コメなどを栽培する 農家、設楽哲也さん(36)が講演した。

農業について話す設楽哲也さん=鳥取市で、高嶋将之撮影 

設楽さんの家は代々続く農家だったが、震災で家屋は半壊、田んぼも崩れたという。2011年5月から農業を再開したが、東京電力福島第1原発事故によ り、農作物の価格の大幅な下落や海外への輸出停止などの影響が出た。「自分の子どものように育てているのに、食べてもらうことができず、何もいいことは無 かった」と振り返った。

「福島県がイメージでしか語られていない。こっち(福島県)を見てほしい」との思いで、震災後の農業をありのままに伝えようと、フェイスブックでの情報 発信を開始。日々の農作業や放射性物質の検査の様子などを現在も公開し続けている。更に県内の農業高校の農業体験実習や中学校のキャリア教育などにも積極 的に携わっており、「子どもたちの憧れの職業を農家にするのが最大の目標」と夢を語った。

この日は、福島県郡山市から大山町に移住した千葉凪彩(なぎさ)さんや、震災ボランティアの経験者らがこれまでの5年の歩みを振り返った。

とっとり震災支援連絡協議会代表の川西清美さん(66)は「避難した皆さんが鳥取でその人らしく暮らし続けられるために、忘れないこと、続けていくことをモットーに、啓発などの事業を続けたい」と話していた。【高嶋将之】

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