2015/11/28

短時間滞在影響少なく 事故後18~20カ月児童、生徒対象 外部被ばく量と生活の関係

短時間滞在影響少なく 事故後18~20カ月児童、生徒対象 
外部被ばく量と生活の関係
2015年11月28日 福島民報
https://www.minpo.jp/news/detail/2015112827029

南相馬市立総合病院の坪倉正治医師らは27日までに、東京電力福島第一原発事故後の市内の児童・生徒の外部被ばく量と日常生活様式との関係について調査結果をまとめた。自宅や学校など長時間いる場所の空間線量が被ばく量に影響を及ぼした一方、通学路など短時間滞在する場所の線量は被ばく量に大きく影響していないとしている。

■南相馬市立総合病院坪倉医師ら調査結果
調査対象は市内の小学生、中学生、高校生520人。原発事故後18~20カ月の期間に行われたバッジ式線量計での外部被ばく検査データと、子どもの行動記録アンケート、自宅前の空間線量、校庭の空間線量を照らし合わせた。

この結果、自宅前線量が毎時0・1マイクロシーベルト上がると被ばく量が相対比で1・1倍になり、校庭の線量が毎時0・01マイクロシーベルト上がると1・02倍になった。一方、放課後や週末などの屋外活動や通学などは、被ばく量の大きな上昇にはつながらなかった。
坪倉医師は「通学中の被ばくが最もリスクが高いと考える人が多いが、普段、長時間いる場所の空間線量に配慮することが重要だ」としている。


「通学」被ばく量影響せず 南相馬の小中高校生調査
2015年11月28日 福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20151128-031404.php


南相馬市の小中高校生の外部被ばく量と行動記録を比べた結果、短時間の登下校や屋外活動の時間は被ばく量に影響しないとする論文を英国インペリアル・カレッジ・ロンドン公衆衛生大学院の野村周平氏らがまとめ、27日までに国内科学誌オンライン版で発表した。論文では「普段過ごす自宅や学校の空間線量が被ばく量に影響している」と結論。対象の子どもの保護者の4割が「通学中の被ばくが最もリスクが高い」と考え、小学生の保護者の8割が車で送迎している現実も示し「こうした懸念とは対照的な結果」と指摘した。

研究では2012(平成24)年9~11月、個人線量計(ガラスバッジ)で測った同市の520人の外部被ばく量と、児童生徒を対象にした行動記録アンケート、児童らの自宅前や校庭の空間線量などを併せて分析した。3カ月間の外部被ばく量の平均値は0.34ミリシーベルトで、このうち0.14ミリシーベルトは自然にもともとある放射線による被ばくだった。

子どもの行動と被ばく量の関係では、自宅前の空間線量が毎時0.1マイクロシーベルト上がると被ばく量は1.1倍に上昇。また校庭の空間線量が毎時0.01マイクロシーベルト上がると1.02倍に上がった。一方、放課後や週末の屋外での活動時間、屋外クラブ活動への参加時間、通学時間などはいずれも被ばく量との関係は確認できなかった。

今回の調査対象の子どもの屋外活動時間は比較的少なかったことから、屋外活動が多くなると被ばく量に影響してくる可能性も「否定できない」としている。

 

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