2015/03/11

地産地消を奨励の福島県、弁当持参は「復興の妨げ」の声も


2015年03月11日 週刊女性3月24日号
http://www.jprime.jp/tv_net/saigai/9581/

昨年春、漫画『美味しんぼ「福島の真実編」』で、福島第一原発事故の放射能で鼻血が出たという描写が「風評被害を助長する」と騒動になった。

事故から4年。福島県は急ピッチで復興を進めている。’12 年から行政主導で除染が始まり、農業再生や食品検査に力を入れ、復興イベントも盛んだ。今年の3月1日には常磐道が全線開通となった。

その一方で、放射線の影響をどう評価するかは、いまだに専門家の間でも見解が分かれる。

「脱原発に結びつけたい気持ちがあるのでしょうが、原発がいいか悪いかと、被ばくの影響が大きいか小さいかとはまったく別の話。放射線量をちゃんと評価して、判断すべきです」そう指摘するのは、放射線防護学や環境放射線学を専門とする日本大学の野口邦和准教授だ。

安全か危険か。放射能をめぐる論争に福島の人々は振り回されてきた。そして復興ブームに沸くなか、この問題には、もはや冷ややかなように見える。「耳をふさいで、聞かないほうがいいと思っている人が圧倒的に多いと思います。疲れちゃったんですよね」郡山市在住の森園和重さん(53)はそう話す。内部被ばくを心配し、子どもにお弁当を持たせる親も減った。福島県は地産地消を奨励し、学校の給食も福島産を積極的に取り入れている。お弁当を持参させた親を「復興の妨げになる」と言う人もいるそうだ。

福島県本宮市のアドバイザーでもある前出・野口准教授は、浜通りなどの一部を除き、福島県の放射線量は下がっているとみている。「現在、福島の内部被ばくの線量は多い人で年間10マイクロシーベルト。外部被ばくのほうが平均で年間1000マイクロシーベルトと高いので、除染に努めるべきです」(野口准教授、以下同)

福島県内では公園や公共施設、住居の除染が順次行われている。食品に関しては、出荷する農水産物を検査しているが、市販される農水産物のほとんどが検出限界値を下回るようになった。政府や県のホームページで公開される検査結果について、「数値はごまかしていないと思います。かなり神経を遣っている印象を受けます」

水産物はどうか。川魚の線量はやや高いが、海の魚は検出限界値以下のものが増えているそうだ。東京電力のデータによると、「海水のセシウム濃度は、福島第一原発の港湾のすぐ近くでも、規定値の100分の1ぐらいまで減少」したという。「一時期は頻繁に故障していましたが、去年の秋ごろから1日約1000トンの汚染水を処理しています」

本誌の取材で、野口准教授がそう述べた矢先の2月22日、高濃度汚染水の流出が発覚している。



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