2015/02/10

2/9 参議院決算委員会での福島みずほ議員の質問です。

参議院決算委員会2015年2月9日

福島みずほ君 社民党の福島みずほです。

 まず、住宅支援についてお聞きをいたします。

 避難者が避難先、移住先において生活再建が可能となる住宅支援の実現に向けて、立法措置を含む必要な措置を講ずるべきではないでしょうか。

○国務大臣(竹下亘君) 子ども・被災者支援法に基づく基本方針では、福島県等において避難せずに居住を続ける場合、他の地域へ移動して生活する場合、移動前の地域へ再び居住する場合のいずれを選択した場合であっても適切に支援することといたしております。他の地域に移動して生活する場合の住宅の確保についても、応急仮設住宅の供与期間の延長、公営住宅への入居の円滑化などの必要な措置を講じているところでございます。

 引き続き、実際に施策を担当する各省庁と連携しながら、被災者の生活再建に、若しくは自立に向けた各種の被災者への支援施策の推進に努めていくつもりでございます。

○福島みずほ君 でも、実際避難している人に聞くと、公営住宅や民間賃貸住宅を使ったみなし仮設で暮らす人の入居期間が来年三月末まで延長されましたが、一年ずつ延長していくのでは被災者の不安が続いております。実際いつまでそこに住めるのか、また借換えが認められない現行制度についても改めるべきではないでしょうか。

○政府参考人(日原洋文君) お答えいたします。

 災害救助法に基づきます応急仮設住宅の提供期間は原則として二年とされておりますけれども、東日本大震災で設置したものにつきましては、特定非常災害特別措置法に基づきまして、一年を超えない期間ごとに延長を行うことが可能となっております。延長に際しましては、各県におきまして、災害公営住宅等の恒久的な住宅の整備状況あるいは被災自治体における復興状況を総合的に勘案しながら判断されていくというふうに承知しておりますので、国といたしましては、延長供与を受けた際には、被災自治体の状況等をしっかり確認し、適切に対応してまいりたいと考えてございます。

 また、応急仮設住宅は、被災者への応急的、一時的な救助として仮住まいを現物で提供するものでございますので、応急仮設住宅からの移転につきましては、いわゆる恒久住宅への移転というものを想定してございます。このため、基本的には住み替えを認めるということは困難でございますけれども、東日本大震災につきましては、他県など遠方に避難された被災世帯が県内に帰還される場合には、帰還促進の観点から特例的に住み替えを可能とするなど、できる限りの対応、配慮を行っているところでございます。(発言する者あり)

○福島みずほ君 今意見がありましたが、私も被害が長期にわたるという原子力災害の特殊性をしっかり踏まえる必要があると思います。災害救助法で一年ごとにといっても、来年のことが分からない。皆さん本当に不安が広がっています。これは、避難者の住宅支援のための法整備をきっちり行うべきだということを申し上げます。

 子供たちの保養についてお聞きをいたします。

 子供たちの心身の回復を目的とする活動への支援強化拡大と保養制度の実現のために、立法措置を含む必要な措置を講ずるべきではないでしょうか。

○政府参考人(久保公人君) 文部科学省では、子ども・被災者支援法第八条の規定に基づきまして、平成二十六年度から福島県の子供を対象に、自然体験活動あるいは県外の子供たちとの交流活動を支援する事業として、福島県の子供たちを対象とする自然体験・交流活動支援事業を実施してきております。平成二十七年度予算では、この事業は、新たに創設されました被災者の健康・生活支援に関する基幹的事業を一括した復興庁の被災者健康・生活支援総合交付金の取組の一つとされているところでございます。

 この在り方につきましてはいろんな御意見があるところではございましょうけれども、文部科学省といたしましては、まずはこの新たな交付金制度の下で、より効果的、効率的な支援活動ができるように努めてまいりたいと考えております。

○福島みずほ君 五十九億円中、福島の子供たちを対象とする自然体験・交流活動支援事業は約四億円ということでよろしいですね。

○政府参考人(久保公人君) 御指摘のとおりでございます。

○福島みずほ君 これは福島県外への保養は入っているんでしょうか。

○政府参考人(久保公人君) 福島県外への派遣も入っております。

○福島みずほ君 福島県が行っているふくしまっ子は、二十六年度十億円、二十七年度七億四千万で二五%減っております。子供たちの保養は極めて重要です。是非、沖縄や北海道やいろんな、他県に行く人もいますし、それから、NGOはこの四年間本当に頑張ってきました。しかし、疲れ始めて、もうお金がなくて、受け入れてきたけれども続かないという悲鳴のような声を全国各地で聞きます。

 四億円ですが、もっとこれ、予備費で出すとか、もっとこの保養、福島県内、県外も含めて、NGOへの支援も含めて、子供たちへの保養をしっかりやっていただきたい。いかがでしょうか。

○政府参考人(久保公人君) 福島県のニーズもこれからも一層聞いていく必要があると思います。その中で、新しい交付金ですので、そのニーズを踏まえた円滑な実施につきましてよく復興庁と相談しながらその充実に努めさせていただきたいと思います。

○福島みずほ君 オスプレイ一機百億円買うんだったら、子供たちのためにお金使ってくださいよ。四億円、やっぱり少な過ぎるというふうに思います。

 次に、環境省における東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議についてお聞きをします。

 中間取りまとめを発表しましたが、内容が極めて問題です。また、委員の中には、電力事業連合会から旅費等の補助を受けていた委員、丹羽委員、佐々木委員がおります。利益相反ではないでしょうか。また、放射線審議会長、歴代会長は長瀧委員、佐々木委員、中村委員、丹羽委員ですが、いわゆる原子力村の一員として原発の安全神話の一翼を担ってきたのではないでしょうか。加害者の側であるにもかかわらず、事故の被害者である住民の健康影響を評価したり健康管理の在り方を審議したりすることは不適切ではないかと考えますが、いかがですか。

○政府参考人(北島智子君) 専門家会議の委員は、それぞれの分野において、研究機関、大学、学会、国の審議会等におきまして主導的な立場を経験されており、被災住民の健康影響や健康管理の在り方について議論を行うために必要な人材であると認識しております。

 なお、専門家会議は任意に設置した会議でございまして、利益相反規定はございませんが、他の審議会等の取扱いを参考に委員の選定を行ったものでございます。

○福島みずほ君 利益相反に関する明文規定がない、あるいは利益相反の委員を選定していることは問題だと思います。

 この会議の中で、住民からの意見聴取もなく、関東のホットスポット地域の自治体首長から提出された意見書についても検討の機会はありませんでした。また、それらの意見が資料として配付されることもありませんでした。今からでも住民等からの意見聴取を行うべきではありませんか。

○政府参考人(北島智子君) 専門家会議においては、医学的、科学的見地から御議論いただくに当たり、自ら被災するとともに、被災された方への対応に当たった医師、保健師の方々からヒアリングも行い、御議論の参考としていただきました。また、御指摘の関係する九市長から提出された意見書につきましては、第十三回専門家会議の前にあらかじめ御確認いただくため、事務局から専門家会議の各委員に送付しております。

 このように、昨年十二月二十二日に公表されました中間取りまとめは、被災された方々の意見も念頭に置いて検討、作成されたものと認識しております。

○福島みずほ君 しっかり議論をしていないですよ。福島県県民健康調査において、小児甲状腺がん及び疑いが百十二例見付かっております。これは、多発という点でも、転移を含む症状の深刻さという点でも、二巡目の検査で一巡目では見付からなかったがんが四例見付かるという点でも深刻な結果が出ております。これについて分析、検討することなく、二巡目の四例が公表される前に中間取りまとめの発表を行い、事実上会議を終わらせてしまった。

 実態に即した真の科学的検討を行うため、委員構成を変更した新たな会議を設置し、議論をすべきではないですか。

○政府参考人(北島智子君) 県民健康調査甲状腺検査の平成二十三年度から二十五年度に行われた一巡目で発見された甲状腺がんにつきましては、専門家会議の中間取りまとめにおきまして、甲状腺の被曝線量がチェルノブイリ事故後の線量よりも低いと評価されていること、チェルノブイリ事故後で甲状腺がんの増加が報告されたのは事故後四、五年後のことであり、これまでの福島での調査で甲状腺がんが認められた時期とは異なること、福島の調査に比べて規模は小さいものの福島県以外の三地域において甲状腺検査を行っており、その結果と福島での一次検査の結果とを比較しても大きく異なるものではなかったことなどを考慮すると、原発事故由来のものであることを積極的に示唆する根拠は現時点では認められていないとされております。また、平成二十六年度と二十七年度の二か年で実施する二巡目の甲状腺検査は調査の途中段階にあることから、甲状腺がんの疑いと診断された四名の方について現時点で何らかの見解を述べられる段階にはございません。

 これらの調査の結果につきましては、各分野の専門家から構成される福島県県民健康調査検討委員会において科学的に評価されるものと認識しておりますが、国といたしましても、調査の実施状況と結果について引き続き注視していく必要があると考えております。

○福島みずほ君 ひどい答弁ですよ、環境省の考え方は。だって、まだ分からないと言いながら、なぜ原発由来のものではないなんて言えるんですか。百十二の例が出ていて、深刻ですよ、本当に。子供たちの小児がんが増えているじゃないですか。チェルノブイリより早く出ているのかもしれない。今まさにそのことが起きていますよ。たくさんのメールをもらいます。栃木県で知り合いの女性の子供の、例えば二十歳代半ばの子供が甲状腺がんの今から手術を受けるとか、悲鳴が本当に広がっています。

 ところで、パブリックコメントは何件寄せられましたか。

○政府参考人(北島智子君) パブリックコメントにつきましては、現在集計中であり、暫定の数字ですが、合計九百六十八件の御意見が寄せられております。この中には同一の方からの同一の御意見が複数件送られているものも含まれております。

○福島みずほ君 一月二十一日にパブリックコメント締め切って、二十日たって、何で中身が今出てこないんですか。

○政府参考人(北島智子君) 九百六十八件の御意見でございまして、一件につきましても多数の意見が寄せられておりますので、件数につきましては大体集計できておりますけれども、それぞれどういった意見が何件あったかというところを今精査中でございます。

○福島みずほ君 パブリックコメントを公開の場で十分審議することが必要だと考えますが、いかがでしょうか。例えば、これは千葉県、二十一日パブリックコメントが締め切られましたが、県内で汚染状況重点調査地域に指定されている九市は、福島県外でも国が健康調査などに取り組むよう求める意見書を出しております。これはパブリックコメントには間に合わなかったのかもしれませんが、茨城県の常総市ではこれをはっきり、例えば、ここもやはりこの健康調査をやってほしいということを市から言っております。この声というのは、福島県の子供たちの健康ももちろん重要です。でも、千葉や栃木や宮城や埼玉、そういう子供たちの健康診断、これについてはどうするんですか。

○政府参考人(北島智子君) 昨年十二月に取りまとめられました専門家会議の中間取りまとめでは、放射性ヨウ素による被曝について、福島県内よりも福島近隣県の方が多かったということを積極的に示唆するデータは認められていないということ、また、原発事故による住民の被曝線量に鑑みると福島近隣県においてがんの罹患率に統計的有意差をもって変化が検出される可能性は低いということ、また、症状のないお子さんに甲状腺検査を実施することで様々な問題を生じることから、施策として一律に実施することについては慎重になるべきとの意見が多かったとされているところでございます。

○福島みずほ君 一律ではなくって、このまさに福島県外のところの、例えば千葉県の中の汚染状況重点調査地域に指定されているところの子供たちに関してきちっと検査をするというのはあり得るのではないですか。つまり、放射性物質は県で閉じ込められているわけでは当たり前ですがありません。福島県の外で福島県よりも高いホットスポット地域や初期被曝が心配になっているところがあります。だから、親も心配している、首長もこんな意見書を出しているんです。市が実際やっていたりするんですが、間に合いません。

 環境省はどうしてほかのところの、とりわけ高いところですね、全県やれなんて言いません。千葉県全県やれとか、そんなことは言いません。でも、実際意見書が出ているじゃないですか。この声をどうして無視するんですか。

○政府参考人(北島智子君) そういったことも含めまして、県外の被曝線量がやや高かった地域を含めて、この専門家会議の中間取りまとめで議論がされておりますけれども、その中でも施策として一律に実施することについては慎重になるべきとの意見ということで、私どもとしては今後の施策の中に盛り込んでいないところでございます。

○福島みずほ君 一律ってどういうことですか。

○政府参考人(北島智子君) 福島県におきましては、福島県が主体となりまして全県民、十八歳未満の全ての子供たちに一律に甲状腺検査をお勧めしております。そういったことについては行政が主導してやっておりますけれども、こういった行政が主導する形での検診は、現時点においては福島県外で実施することは慎重になるべきとの御意見だったと認識しております。

○福島みずほ君 全く駄目ですよ。千葉県だって栃木県だって、どこも高いところの首長が是非やってほしいと言っているんですよ。子供たちは毎日成長する。十年後にどうかなんて分からないんですよ。早期発見することも必要じゃないですか。県境を越えて高いところがある、一律に千葉やれ、茨城やれなんて言っているわけじゃないんですよ。高いところについて、とりわけ首長がやってほしいとやっているところに関して、放射線の線量は全部はっきりしています、そこについて、というか、疑わしい場合には子供たちの健康のためにやるべきじゃないですか。どうしてそれを惜しむんですか。子供たちの健康は代えられません。これに関しては、福島県だけやる、福島県外については慎重な意見なんて納得ができません。こんな中間報告は認められないですよ。

 実際、みんなの不安を除去する最大の理由はきちっと健康診断をやることですよ。もう十年たったら取り返しが付かないんですから。そのことについて環境省、頭入れ替えて、心入れ替えてやってくれということを強く申し上げます。

 二〇一四年八月十七日の政府広報についてお聞きをいたします。これについて、掛かった費用と出したところを言ってください。

○政府参考人(別府充彦君) 今御指摘の新聞記事の広告の経費につきましては、約一億三千万円でございます。

 出したところというのは、どの省庁がこれを出したかという......(発言する者あり)あっ、新聞ですね。新聞は、中央紙、朝日、読売、産経、日経、それと産経の全国五紙、あと福島の地元二紙、福島民報、福島民友及び夕刊フジでございます。

○福島みずほ君 これは極めて問題です。

 というのは、百ミリシーベルト以下の被曝量ではがんの増加は確認されていないことから、甲状腺がんは増えないと考えられますというふうになっています。また、福島県で小児甲状腺がん患者が出ているというのは、検査をしたから発見が増えたと言っています。子供たちの健康のことを考えているんでしょうか。

 つまり、百ミリシーベルト以下で黒か白かというのが分からないとしても、白だと断言するのは間違っているじゃないですか。正しいのは立証されていないということですよ。しかも、これが問題なのは、甲状腺がんは増えないと考えられますと断言していることなんです。大丈夫、大丈夫ともう一回安全神話言って、こんなの税金使って広報しておかしいですよ。何で慎重な意見や正確な意見が出ないんですか。

 こんな広報を出し続けることについて極めて問題だと思いますが、大臣、いかがですか。

○国務大臣(竹下亘君) この政府広報でございますが、国際的な機関の、例えば国際放射線防護委員会あるいは国連科学委員会の見解に沿った科学的に確立されている内容となっておりまして、御指摘のように一方的に偏った意見であるとは思っておりません。

 それから......(発言する者あり)いや、もうちょっと待ってください。発がん性のリスクでございますけれども、百ミリシーベルト以下の被曝線量においては発がん性のリスクは他の要因による発がんの影響によって隠れてしまうほど小さいため、放射線による発がんリスクの明らかな増加を証明することは困難とされておりますという状況です。

○福島みずほ君 全く納得いきませんし、これは問題です。

 時間ですので、これで終わります。

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