2014/10/02

362人にカドミウムによる腎臓障害の疑い…「イタイイタイ病」健康調査/富山


 富山県は1日、イタイイタイ病が発生した神通川流域の住民を対象にした健康調査の結果、カドミウムによる腎臓障害が疑われる人が362人いたと発表した。
 このうち腎臓障害の指標となるタンパク質「β2ミクログロブリン」の尿中濃度が基準値を超えた人は、イタイイタイ病には認定されないがカドミウムによる障害が認められるとして、原因企業の三井金属が一時金60万円を支払う対象になる。
 362人には別の尿中タンパクが一定量を超えた人も含まれるが、一時金対象とはならない。県は一時金対象者の人数を明らかにしていない。
 健康調査は環境省と富山県が今年5月から実施し、条件に当てはまる7461人のうち2493人が受診した。対象者は、流域の汚染地域で昭和50年以前に20年以上の居住歴があり、現在も住んでいる人。これまでも65、70、75歳といった節目の年齢の人を診断してきたが、今年は年齢を限定しなかった。

http://www.sankei.com/west/news/141001/wst1410010096-n1.html
産経新聞
2014年10月1日

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これは、放射能影響や原発事故の影響ではないが、一企業が起こした公害について、国や自治体が何をどう対応してきたのか、対応してこなかったのかを学ぶべき内容を含むのではないかと思いアップしました。福一の事故後、「水俣病」がよく話題にのぼりますが、同じく企業による公害の被害である意味では、水俣病も、JCO事故も、福一事故も同じです(原発=放射能の問題は、国の責任もより大きいなど、それ以上に複雑ではありますが)。イタイタイ病は1910〜1970年代とされておりますが、それから40年以上経っていまだ問い続けられているわけです。

その公害の原因物質による影響だと断定できるマーカーがあれば良いのでしょうが、そうした産官学共に不必要と思われるような研究はなかなか進まないでしょう。福一事故当初、放射能被害による甲状腺がんに特有のマーカーの話題が新聞報道にも出されていましたが、その後、まったく出てきません。それが確立されれば、福島県民健康調査で問われている「原発事故の影響ではない」という行政側の主張が正しいかどうか、すぐに証明されるはずなのですが。

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