2014/09/15

茨城の原子力施設、微量の放射性物質漏れる…「低レベル」の漏れが報道される背景

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 茨城県大洗町にある日本原子力研究開発機構の施設内で、微量の放射性物質が漏れているのが見つかりました。茨城県などによりますと、環境への影響はなく、被ばくした人もいないということです。

 11日午前、日本原子力研究開発機構の大洗研究開発センターで、研究用原子炉の近くにある建物の内部に水たまりが6か所見つかり、調べたところ、コバルト60やトリチウムなど微量の放射性物質を含んでいることがわかり、茨城県に報告しました。県などによりますと、環境への影響はなく、被ばくした人もいないということです。

 原子炉は定期検査中のため運転を停止していたということで、原子力機構は、放射性物質が漏れた原因を調べています。

2014年9月11日22:32

TBSニュース

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このニュースで取りあげられている水たまりの放射線値は、コバルト60が0.055Bq/㎤、トリチウムが45ベクレルBq/㎤で、日々、高濃度な汚染の数値を聞いてる私たちからすれば、「えっ?」と思うほどの低濃度です。

けれども、ここからが問題です。
なぜ、このような「低レベル」で報道されるのかということです。それは、本来の法令では、このような「低レベル」でも公表し、報告することになっているから。では、福島は?

ジャーナリストの木野龍逸さんはこうおっしゃっています。
「本来、原子力関係の施設は、このレベルの汚染で法令に基づく通報義務が生じる。翻っていまの福島第一は、このくらいの汚染だと、東電や規制庁は『地下水』『雨水』と表現する範囲で、海にそのまま流れていてもわからない程度。これは汚染の程度が低いのではなくて、福島第一が異常な場所だということに他ならない。異常な場所だから流していいとはならないけども、現実に流れてるし、とくにそれを止めようともしていない。止めようとして回収すると、タンクが増えすぎて収集がつかなくなるから、そのままにしている。バランスの問題とはいえ、奇異な印象を受けるのは気にしすぎなのか。」

以下、報道陣に流された報告です。

報道各位
日本原子力研究開発機構(JAEA)から、材料試験炉(JMTR)(※1)の第3排水系貯槽建屋(非管理区域)において、放射性物質を含む水たまりが発見された旨の連絡がありました。(11日15時19分から順次受信)
※1 原子炉の燃料、材料の耐久性及び健全性等の試験を行う研究炉
漏えい箇所は不明ですが、水たまりは回収中です。
モニタリングポストに有意な変動はなく、建屋外への放射性物質の漏えい等も確認されていません。
本件は、管理区域外への放射性物質の漏えい事象であり、原子炉等規制法に基づく法令報告対象事象です。
○9月11日10時20分頃、材料試験炉(JMTR)の第3排水系貯槽建屋(非管理区域)で水たまりを発見し、14時40分頃、水たまりに放射性物質による汚染があることを確認。
○水たまりは6カ所あり、漏えい量は約66リットルと推定。
○漏えい水の放射性物質の分析結果は以下のとおり。
コバルト60 0.055ベクレル毎立方センチメートル
トリチウム 45ベクレル毎立方センチメートル
○本日14時40分に原子炉等規制法に基づく法令報告対象事象と判断し、その旨を21時17分に原子力規制庁に通報。
○本件による汚染はなく、外部への放射性物質による影響、人的被害はない。
○水たまりは現在回収中。
○事業者において原因を調査中。
本件について、保安検査官が現場確認を実施しております。
以上

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