2014/07/17

福島第1がれき撤去で相馬にも粉じん 昨夏、セシウム6倍 京大調査

河北新報より

 昨年8月の福島第1原発3号機のがれき撤去作業で放射性物質を含んだ粉じんが敷地外に飛散したとされる問題で、原発から約50キロ離れた福島県相馬市にも、原発由来の粉じんが到達していた可能性が高いことが16日、分かった。京大の小泉昭夫教授(環境衛生学)の研究グループが福島県内で実施した調査に、飛散を裏付けるデータがあった。
 小泉教授らは住民の被ばく量推計のため、相馬市、南相馬市、福島県川内村の3カ所で大気中の粉じんを集めて放射性セシウム濃度を計測した。このうち、原発から北西48キロの相馬市玉野地区で集めた昨年8月15~22日分から、他の時期の6倍を超す1立方メートル当たり1.28ミリベクレルの放射能を検出。北北西27キロの南相馬は20~30倍、西南西22キロの川内村はほぼ変化がなかった。
 小泉教授らは(1)濃度が上がったのが原発の北西、北北西の地点で当時の風速や風向きに一致する(2)粉じんの粒子が比較的大きく、原発のような放射性物質が密集する場所で大きくなったと推測される-として、8月19日の原発がれき撤去が原因とみている。
 小泉教授は「住民の健康への影響は大きくなかった」としながらも、「原発から放射性物質が拡散する状況にあることをデータは示した。原発内の工事ではセシウム以外の核種が飛散する恐れがある」と対策の必要性を強調した。
 南相馬市では、昨年秋に収穫されたコメのうち、19カ所で国の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムを検出。原因に原発由来の粉じんの可能性があるとして、農林水産省が3月、東京電力に防止策を要請した。
 東電は「調査の詳細を承知していない。事実関係を確認する」と話した。

2014年07月17日木曜日

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201407/20140717_63008.html

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